■「なんで前半22分でこんな前がかりに」

 このゴールは、実はとても珍しいものだった。というもの、阿部がパスを出した時点で、それより前には大橋とランゲラックしかいなかった。一見するとこれはオフサイドに思われるが、この場面でオフサイドラインは名古屋の後方から2番目の選手の位置ではなかった。

 Jリーグが公式HPで解説するオフサイドとは次の3つのすべてを満たすもの。
1、守備側チームのフィールド内
2、ボールより守備側チームのゴールラインに近い位置
3、後方から2人目の守備側競技者よりゴールラインに近い位置

 この試合におけるパスの時点で、パスを出したのも大橋の位置も、名古屋の後方から2人目の位置も、すべて湘南陣内だった。名古屋の最終ラインが異例の高さだったために生まれた珍しいゴールだった。

 SNS上でも、以下のようなコメントが並んだ。
「え…名古屋どうした?」
「なんで前半22分でこんな前がかりになってて、後ろスカスカなん?」
「オフサイドに見えがちだけど、オフサイドラインがハーフウェーラインになるパターン」
「ハーフウェーラインより手前だからオフサイドなし」
「オフサイドでは無い事例に使われること間違い無しのノーオフサイド」

 湘南はその後、名古屋に1点を返されたものの2-1で勝利。残留に向けて勝点3を積み上げた。この日、最下位の横浜FCも他会場で勝利したが、湘南は17位をキープしている。残留争いは残り2試合。どのような結末が待っているか、ますます目が離せなくなる。

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