後藤健生の「蹴球放浪記」第184回「炎天下の生駒越え」の巻(1)期待に応えてくれたJFLからの「昇格組」の画像
フェレンツバロシュとの第1戦(長居)の入場券 提供/後藤健生

 日本代表が10月シリーズを終えた。新潟と神戸で、昨年のワールドカップ出場国を相手に連勝を飾ったのだ。新潟から神戸へ向かう旅路は、蹴球放浪家・後藤健生に半世紀前の観戦旅行を思い出させた。1972年の日本代表を追う旅を…。

■興味を引かれたJ3の2試合

 10月の日本代表の連戦では、13日の金曜日にカナダ戦観戦のために新潟に行った後、東京には戻らず、翌日、すぐに関西に移動しました。「関西で何か面白そうな試合をやっていないかなぁ?」と思って調べたところ、14日の土曜日には奈良クラブ対福島ユナイテッド、15日の日曜日にはFC大阪対FC岐阜という、J3リーグ第31節の試合がありました。

 奈良クラブもFC大阪も、今シーズン、JFLから昇格したばかりのクラブですが、第30節終了時点で奈良が7位、大阪は6位と健闘しています(数字上、どちらもJ2昇格の可能性は残っています)。

 奈良はスペイン・バルセロナ出身のフリアン・マリン・バサロという現在34歳の若い監督を迎えて独自のチーム強化を進めていますし、大阪は東大阪市にある花園ラグビー場の指定管理者に認定され、ラグビー場をホームスタジアムとして使用しており、どちらも興味深いクラブです。

 花園ラグビー場は1929年に完成した関西におけるラグビーの聖地。現在は、リーグワンの近鉄花園ライナーズの本拠地であり、年末年始の高校ラグビーの舞台でもあります。2019年のラグビー・ワールドカップで使用するために全面改装されていますから、J3リーグとしては破格の豪華なスタジアムです(ただし、芝生がラグビー用なので、サッカーで使用するにはピッチコンディションに問題があります)。

 ですから、どちらの試合も「ちょっと見に行ってみたいな」と思わせる試合だったのです。

  1. 1
  2. 2
  3. 3