■「まずは2連勝して自力なら一番いい」
無論、清水を逆転としての自動昇格を諦めたわけではない。ただ、磐田が仮に2連勝してリーグ戦を終えても、清水が勝ち点を落とさなければ上回ることはできない。清水が熊本に敗れたことで、ヴェルディ戦の結果次第で順位を逆転させられたが、自分たちに矢印を向けて、ベストを尽くしていくしかない。その上で、他会場の結果がどうなっているかでしかないのだ。
それを踏まえて山田は「プレーオフ含めて自力で行けるので、まずは2連勝して自力なら一番いいですし、そうじゃなくても3位でプレーオフに挑めるように、自分たちがやれることをやりたいと思います」と語った。ヴェルディ戦の翌日にはヤマハスタジアムで同じ”静岡勢”である藤枝MYFCとのトレーニングマッチが行われた。ベンチ外だったMF金子翔太や怪我から復帰してきたFW大津祐樹がアピールしており、仮にジャーメイン良の状態が難しいとしても、違う特長を持った代わりの選手が選択肢になってくる。
ここから磐田はホームの水戸戦、アウェーの栃木戦を残すが、くしくも清水が大宮と水戸、ヴェルディが栃木と大宮という共通する相手との対戦になるが、横内監督も強調するように、目の前の相手に全力で挑んでいって、2試合で終わるのか。4試合を戦うことになるのか。どちらにせよ、磐田が自分たちで昇格を勝ち取るチャンスは残されている。
(取材・文/河治良幸)