アビスパ福岡の隙を突く、GKチョン・ソンリョンのファインプレーだった。マルシーニョの特徴を生かしたロングキックがゴールを呼び込んだ。70分のプレーだった。
川崎フロンターレは10月8日に等々力にて天皇杯決勝のチケットを賭けて福岡と対戦。2-1で迎えた場面でのこと。福岡の攻撃をしのいだ刹那、ソンリョンが素早く前線にロングキックを放つ。ターゲットはマルシーニョだった。
「僕らもボールを回すことだけじゃなくて、カウンターで速いというのがストロングポイントだと思うので。そういう攻撃のパターンというのが、ちょっと確信を持てたのかなと思います」
そう話すソンリョンの言葉通り、快足を見せたマルシーニョは、クリアしようとペナルティエリア外に出てきたGK村上昌謙よりも先にボールに追いつきループシュート。そのままスピードを緩めず、蹴り出そうと全力疾走する奈良竜樹に体を寄せられながら並走。奈良のカバーを阻止し、川崎の3点目が生まれた。
この場面、マルシーニョと目が合ったのかとの質問に対しソンリョンは「その前に、マルちゃんが前に残っていたのが見えたので」と説明。良いボールを供給できればチャンスになることを理解した上で、精度の高いロングパスを供給したという場面だった。