手本とすべき元日本代表MFや外国人選手たち【日本サッカーのヘディング改善は「ワールドカップ優勝」への道】(3)の画像
阿部氏はヘディングパスのうまい選手だった 写真:中地拓也(双葉社/JMPA代表撮影)

 プロリーグができてわずか30年ということを考えれば、日本サッカー界の成長は目覚ましいものがある。だが、サッカージャーナリスト・大住良之の目には、ある重要な欠落が映っている。それは、日本代表のワールドカップ優勝へのラストピースになるかもしれないのだ。

■手本とすべき選手たち

 Jリーグを見ると、一般に外国人選手はヘディングでかなりきっちりと味方につなぐ。鹿島アントラーズのMFディエゴ・ピトゥカ、川崎フロンターレのMFジョアン・シミッチ(ともにブラジル人)といった選手たちのプレーに注目してほしい。彼らは浮き球が自分のところにきたときには、「ともかく前に飛ばす」というようなヘディングはほとんどしない。素早く周囲を見てフリーの味方を見つけ、頭でそっと触ってそこにコントロールしやすいボールを落とす。たいていは横パスである。

 浦和レッズのDFアレクサンダー・ショルツも、うっとりするようなヘディングのパスを見せる。ペナルティーエリアで相手のクロスをはね返すときにも、タッチライン際にいるフリーの味方選手に渡そうとする。

 こうした外国人選手たちには、ヘディングにあっても、「ボールを失わないよう、味方にしっかり届けなければならない」というパスの考えが当然のように伴っている。

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