10月3日に等々力に蔚山現代を迎え、ACLグループステージ第2節が行われた。川崎フロンターレが主導権を握りながらもゴールを割れず、0−0で迎えた試合終了間際の89分。橘田健人の右足が決勝ゴールをもたらした。
「あのボールの転がり方を考えたらあそこに、あの蹴り方でしか蹴れなかったので。本当にそれがうまく、奇跡的に行ってくれたと思います」
橘田が自ら奇跡的だと話すのは、遠野大弥からのパスがダイレクトで打つには簡単なものではなかったから。また、審判をかすめるようにも転がってきたラストパスだっただけに、ミートさせるにはあの蹴り方しかなかった。
そのシュートが弾丸ライナーで、さぞや練習を積み重ねてきたのだろうと考えたが、橘田の回答は「いや、あまりしてないです」というもの。ある意味ぶっつけ本番で蹴り込んだシュートだった。
ちなみにインパクトの瞬間まで、橘田は複数の選択肢を検討していたという。
「ボールの質的に、最初は巻こうか、落とそうか、迷ってたんですが、あそこに来たんで。ああ蹴るしかないと思って、思い切り蹴りました」
考えて、決断して、そしてボールを蹴る。瞬時にそれをやり遂げたシュートだった。