2026年アメリカ・カナダ・メキシコワールドカップのアジア2次予選で今回対戦する朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)とは、2014年ブラジルワールドカップ予選でも戦っている。その2011年11月15日の平壌でのゲームは0-1で敗戦。アルベルト・ザッケローニ監督が初めて敗れた試合となってしまった。
今回不気味なのは北朝鮮が2020年以降、一度も対外試合を行っていないこと。どんなメンバーが選出され、どんな戦術を使ってくるのか情報がない。また北朝鮮は2022年カタールワールドカップ予選を辞退するまでレバノンには勝利を収め、韓国とは引き分けていたことを考えると、侮れそうにはない。
チームの現状を朝鮮民主主義人民共和国サッカー協会副書記長の李康弘(リ・ガンホン)氏に話を聞いた。
(取材・文/森雅史)
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——国外との交流ができなかったこの4年間、代表チームはどうやって強化していたのですか?
代表候補の選手たちはチームを作って国内のリーグに参加し、そこで強化していました。
ただ、私も直接見に行くことができなかったので、どんな選手が活躍しているのか詳細は分かりません。新型コロナウイルスの影響が出る前にアジアの大会で高成績を収めていた世代の選手たちが当然チームの中心になっていると思います。
——これまで来日したとき、とてもフェアなプレーぶりが目立ちました
それは在日朝鮮人の存在が大きいと思います。代表チームとして、在日朝鮮人の人たちの前で恥ずかしいプレーは出来ません。だからどんなに痛くてもすぐ立ち上がるし、勝っていても時間稼ぎをしません。他の国に行ったときは、ゆっくり時間を使ったりしていますよ(笑)。