2026年アメリカ・カナダ・メキシコワールドカップのアジア2次予選、日本はミャンマーまたはシリアの勝者、シリア、そして朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と戦うことになった。
北朝鮮は2021年5月にカタールワールドカップ予選を辞退したのち、一度も対外試合を行っていない。はたして今回は予選に参加するのか。そして北朝鮮国内で試合は開催されるのか。朝鮮民主主義人民共和国サッカー協会副書記長の李康弘(リ・ガンホン)氏に話を聞いた。
(取材・文/森雅史)
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——前回のワールドカップ予選は残念ながら途中で辞退ということになりました
2019年11月ぐらいには中国で新たな感染症が広がっているという情報が入っていました。2020年1月、私たちがタイでAFC U-23選手権に出場していたときもアジアで感染拡大しているという話題も聞いていました。そして大会後の1月27日に、本国で新型コロナウイルスの危険性から国境管理を厳しくするという発表があったのです。
私たちとしては、ワールドカップ予選のように選手たちが目指している大会へのキャンセルはものすごく残念だし、好ましくないと思っていました。ですが、本国としてはコロナ禍ということを鑑み、「スポーツも大事だが、命ほどではない。今は次の大会を目指して我慢するべき時。君たちを犠牲にすることはできない。冒険は絶対しない」という方針だったのです。
そこで2021年に再開した予選には参加しないことになりました。ただ、それで「韓国でのアウェイゲームだから行かなかった」などと報道されていたのは非常に不本意でしたね。