■帽子をかぶりながら試合
1872年にサッカー史上初めての国際試合である「スコットランド対イングランド」が行われたときに雑誌に使われたイラストが、国際サッカー連盟(FIFA)のミュージアムに保存されている。そのイラストによると、スコットランドは紺色、イングランドは白のシャツでチーム分けがなされているのだが、スコットランドの選手たちの何人かはピエロのとんがり帽子のようなものをかぶり、一方、イングランドの選手たちはまちまちな色の「スクール・キャップ」をかぶっている。
ユニフォームの区別がなされるようになっても、キャップをかぶったままプレーをする習慣は1870年代まで残っていたようだ。ジャクソンが国際試合の出場記念品にと、「キャップ」を贈ることを考えたのは、自然なことだったのかもしれない。現代、「キャップ」と言えば「ベースボール・キャップ」が最も一般的だが、サッカーにも「キャップの時代」があったのは非常に興味深い。