小林悠のゴールが流れを変えた。泥臭く流し込んだ小林らしいゴールだった。
川崎フロンターレが10月20日に等々力に迎えたのは、2週間前に天皇杯準決勝でも対戦したアビスパ福岡。堅守の福岡に対しては苦戦も予想されていたが、その予想に反し、前半20分に瀬川祐輔のゴールで川崎が先制。しかしその後2点を奪われ、試合終盤に入っていた。1点ビハインドの川崎が手にした同点ゴールが、試合終了間際の後半84分の小林のゴールだった。
ポイントはトラップだったと小林。山村和也が得意のフィードを前線に送ると、これに小林が反応する。
「(福岡の)選手がかぶるかなという軌道だったので」
そう山村からのパスを振り返る小林は、対応する宮大樹をパスが超えると判断。トラップして宮の相手の前に置けばチャンスになると考えたのだという。
「トラップで相手の前にうまく落とせれば入れ替われると思いました」
明確な狙いを持ち、意図して置いたトラップは小林曰く「本当に完璧なトラップ」で「自分でも思った通りだったので。スピードを殺さずに良いところに置けた」ものだったのだという。そんな自らのプレーについて「そこは経験だったり、そういう場面での集中力が出せたかなと思います」と胸を張った。