■「自分を奮い立たせてくれる」
カタールワールドカップが終わってから吉田麻也が呼ばれなくなったとはいえ、現在の代表には冨安健洋と板倉滉という欧州で結果を残している2人のDFがいる。ドイツ戦の先発もこの2人だったように、谷口が日本代表でスターティングメンバー入りを目指すには超えなければいけない壁となっている。
それでも、そうした環境が「自分を奮い立たせてくれる」と説明し、「これまでもやっていますしそのスタンスは多分変わらないと思います。やるだけ、というか。チャンスをもらったらしっかり見せるっていうそのための準備をし続ける」と力強く話した。
そして、「チームとしても良いものを発揮できるように、そういう働きかけはやっていかないといけないし、そういう働きをやっていかないといけない立場かなと思っている」と、最年長選手としての責任感も見せたのである。
その欧州遠征では、「できるなって感じた部分と、まだまだもうちょっと上げないとなって思った部分があって、正直、どちらかといったら後者の方が僕的には大きくて、まだまだだなっていう方がちょっと強かった」という。
その“まだまだだな”という部分が大きいことが、谷口が先述した緊張感の部分に直結しているようだが、その詳細については、「細かい部分ではあるのでなかなかここで全部お伝えはできないですけど」としたうえで、細かい駆け引きやバトルの面でそうした部分があるのだと話す。
途中出場したドイツ戦から、先発出場したトルコ戦までは中2日。「(試合までの)時間もなかったし、メンバーも変わった中で難しい部分もあったけど、それでもできることはもっともっとあったと思うし、2失点していますし、課題はたくさんあったと思う」とした。
(取材・文/中地拓也)
(後編へ続く)