9月29日に行われたJ1第29節のアルビレックス新潟戦を、等々力競技場の一室から観戦する11組33人がいた。感覚過敏など、本来はサッカー観戦が困難な環境にある子どもとその家族のために、川崎フロンターレが特別な環境を用意して観戦を楽しんでもらったのだ。
センサリールームと呼ばれる“安心できる部屋”も設置するなど、フロンターレはANAや富士通といった協業企業とともにハード面で奔走した。もちろん、それぞれのスタッフも現場でさまざまにおもてなしを見せたが、記者が驚いたのはサポーター有志の姿だった。
11組33人が最初にJリーグを“体感”したのは、選手のウォーミングアップの瞬間だった。ピッチに登場する登録メンバー18人を、メインスタンド前の入場口で出迎えたのである。その際、クラブや協業企業のスタッフとともに子どもたちや家族を支えたのがサポーター有志だった。
せっかくの機会を楽しんでもらおうと、きめ細かく対応。チャントを一緒に歌えるようにと歌詞カードやトイレの位置が分かりやすくなった地図を使って、子どもたちとコミュニケーションを取った。