■「自分の特徴をしっかり表現できるように」

 プレーや言葉を通してすでに強い存在感を放っているFWゴミスだが、その結果、若きストライカー2人には“自分自身”を追求する意識をさらに高めさせるものとなっている。

 宮代は、「非常に特徴がある選手ですし、あれだけ体の大きい選手で、自分にはないもの身体的な部分で持ってるものが多いので、同じもので勝負をしようとは思ってないです。今から身長を10cm伸ばして体重を10kg増やしてっていうのはできないことなので」と、それぞれが違う選手であることを自覚していると話す。

 だからこそ、「練習から盗めるとこはどんどん盗んでいきたい」としながらも、「自分の特徴をしっかり表現できるようにしたい」と言うのだ。そして、言葉を変えて次のようにも説明する。

「同じ土俵で同じプレーをしようとしたら絶対無理なので、自分の特長をしっかり出して、自分のサッカーをしっかり出してそれを評価してもらえれば、自然と試合に出られると思う。無理にできないことをするんじゃなくて、自分のやれることをしっかりやりたい」

 山田新も、“盗めそうなところ”についていくつか説明をするが、やはり以下のように話す。

「どこのチームに行っても強烈な外国人選手はいるので、そこに勝たないと試合は出られない。それに、彼らと違った部分でチームに貢献できると思うんで、そこのところで、突き抜けて監督に評価してもらえれば。守備もそうですけど、(自分は)ランニングの回数も多いので、そういった彼らにない部分でしっかり貢献できれば」

 強烈な存在から盗めるところは盗む。しかし、自分にしかない部分がある。それがどういった部分かを理解し、そして、それをどう追及していくのか。元フランス代表はその大切さを感じさせているようだ。

(取材・文/中地拓也)

(3)へ続く
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