後藤健生の「蹴球放浪記」第180回「本場の茶と酒を楽しんだ、怠惰な日々」の巻(2)レストランでの大食より値段2倍超の「特級茶」の画像
2007年女子ワールドカップのADカード 提供/後藤健生

 中国の杭州で現在、アジア競技大会が開かれている。この地は、2007年に女子ワールドカップの会場にもなった。その4年後に世界制覇を成し遂げるなでしこジャパンと当地の思い出を、蹴球放浪家・後藤健生がつづる。

■文化のベース

 現在の「中国」というのは、古代の漢の時代の中国とは大きく異なっています。北方の遊牧民族が何度も中国を支配し、文化的にも彼らの影響を強く受けて変化してきたからです。

 そもそも、隋や唐といった統一王朝も北方民族の鮮卑族が打ち立てた王朝でした。

 たとえば、椅子に座る生活なども北方民族が持ち込んだ生活様式でした。漢の時代の中国では犬は食用動物だったのですが、北方民族は遊牧を行うために犬と親しんでおり、彼らの影響で中国では犬は食用ではなく、愛玩動物となったと言われています。

 とにかく、南宋の首都となった杭州は、古くからの漢民族の文化と新しい北方の文化が入り混じって文化的にも絶頂期を迎えます。外食産業なども、南宋の時代に発展したと言われています。

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