■「“あ、本物いる”とは思いました」

 とはいえ、他の記者がすでに質問をしている中で、流れもあって本誌記者がまず山田に聞いたのは2トップと3トップの真ん中でやることについて、感じていることだった。質問に対し、「違ったやりやすさありますけど、2トップの方が慣れはります」とまずは応え、そして「どっちもやりやすいですけど……やりやすいというか、どっちも違う良さがある」と付け加えた。

 その後、別の質問をしたうえで『湘南乃風』について聞いた。すると、「あんま聞こえなかったんです。でも、“あ、本物いる”とは思いました」という意外な回答だった。ピッチ上や観客席にいた人にとっては大きなインパクトのあるパフォーマンスだったが、ゴールへの意識を集中していた試合前の山田にとっては意識を向けるものではなかった。

 とはいえ、「楽しみにはしてましたけど、来るのを。けっこう前にそれ(来場)を知って、曲が聞けなかったんで、残念です」と続けた。試合へ挑む際に来場ゲストを確認する余裕と、そして、実際にそのゲストがいても気持ちが一切動じない姿を感じさせた答えだった。

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