J1リーグ第27節、サンフレッチェ広島―ヴィッセル神戸が9月16日に行われた。ホームの広島が立ち上がりから圧倒し2-0で勝利したが、GKも“攻めのプレー”で見せ場を作っていた。
サンフレッチェ広島のGKはサッカー日本代表の大迫敬介だ。先日行われたドイツ代表との親善試合でゴールを任されるなど、将来を期待されている。チームでも今季はリーグ戦すべてでプレーし、24歳ながら絶対的な存在だ。
その背番号38が、この日の試合でさらに成長した姿を見せた。それが前半13分のシーン。
広島は相手陣内深くまで攻め込むが、ボールを失い相手GKへ戻されてしまう。するとセンターライン付近にロングパスを出される。それでもサンフレッチェDFが相手より先にボールに触り、その場に落とす。回収した味方はそこからGKの大迫敬介まで戻すが、これを神戸の大迫勇也が追いかけた。
GK大迫はペナルティエリア内でボールを止めて、前線へ蹴り出す動きを見せる。対するFW大迫は、ボールを自身の足に当てようと目の前で高く跳んだ。しかし24歳の若き守護神はボールを蹴らず、逆方向へ切り返した。このキックフェイントに、スタジアムもどよめいた。
だが大迫敬介のプレーは終わらない。なおもボールをキープしつつ、再度、前方を伺う。大迫勇也もゆっくり迫る中、今度はロングパスを蹴り出した。センターラインを越えたボールは最前線の味方にぴたり合い、相手の最終ラインを押し下げた。