■「体格差のある相手に対して、どうボールを握っていくかというテーマがあった」
立ち上がりのミスは明らかに緊張が表れたが、その後も全てのボールを完璧に捌けたわけではない。しかし、センターバックの冨安健洋や板倉滉にも助けられながら、完全な後ろに構えるのではなく、センターバックの一人であるかのようにポジションを取り、可能な限りグラウンダーで繋いで、センターバックやボランチがチャンスの起点を作れるようにトライした。
大迫は「逃げるのは簡単だった」と前置きしながら「難しい状況でしたけど、このピッチでこういう雰囲気でトライすることに意味があったので。難しいところもありましたけど、トライしました」と語る。
「W杯で勝ちはしましたけど、もっと自分たちのサッカーをした中で結果を出したいというチームのコンセプトで。蹴るのは簡単ですけど、体格差のある相手に対して、どうボールを握っていくかというテーマがあった」
結果とともに内容面でも日本に大きな自信を与えることになったドイツ戦。その中でも、この90分で大きく成長した選手は大迫敬介だろう。
(取材・文/河治良幸)