■「久保選手は、きっとこれからは自分がチームを引っ張っていくと思っているはず」

――その一方で、ソシエダでは、久保選手に大きな影響を与えたと言われているベテラン・ダビド・シルバ選手が、シーズン前にケガでまさかの引退となってしまいました。

「シルバの代わりにはなれないでしょうが、久保選手は、きっとこれからは自分がチームを引っ張っていくと思っているはず。そのうえで、どれだけ個人でもチームでも結果を残せるか、期待しています。

 あとは、得点力ですね。ラリーガは、ゴールを決めないと高く評価されないんですよ。いくら絶妙なアシストをしても、“なんで打たない、なんでお前が決めない”って言われちゃうんで。そこらへんが、ラリーガで戦う難しさですかね。でも、久保選手は精神力も強いですから、きっと結果を残してソシエダの中心になってくれると思いますよ」

――アーセナル冨安健洋選手をはじめ、少し過去をさかのぼると香川真司選手、本田圭佑選手といった、ビッククラブに挑戦した日本人選手が何人かいますが、日本人選手がビッグクラブで花を咲かせるために必要なことはなんでしょうか?

「チームや周りの選手がなにを求めているのか、それを理解する力でしょうね。求められたことを的確にやる、そのうえで、自分の持っている武器を最大限に引き出す。この2つができないと、ビッククラブのレギュラーにはなれない。国の代表に招聘されて、ほんのわずかでもクラブから離れたらレギュラーを外されるような世界ですから。それだけ熾烈なので、日本人選手が挑戦するのは容易ではありませんよ。

 でも、昔の日本サッカーと比べると、今は、世界トップクラスの選手たちの中にグイグイと入っていける時代になってきました。こういった議論が起きること自体が、日本サッカーが大きく進歩した証拠だと思いますよ」

#3「森保ジャパンへの提言!どこも報じない〝守備の重要課題〟と〝真のストライカー〟の名前」に続く。

城彰二(じょう・しょうじ)
1975年6月17日北海道生まれ。鹿児島実業高等学校3年時の高校サッカー選手権大会でベスト4に入るなど、プロ入り前から活躍し、高校卒業後にジェフユナイテッド市原に加入。デビュー戦を含め4試合連続でゴールを決めるなど、若くして注目の選手となる。その後、横浜マリノスへの移籍などステップアップを続け、A代表として1997年、フランスW杯アジア最終予選に参加。悲願の本選初出場を決めたチームにおいて、エースストライカーとして活躍する。現役引退後は、解説者として活躍。現在はユーチューブチャンネル『JOチャンネル』での動画配信など、サッカーの魅力を発信し続けている。

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