■「外せない選手になりたい」
瀬川はこの2番手の役割をきっちり決めて、小林とともに流れを作った。そして、3番、4番への成功につなげた。
「新潟のゴール裏のサポーターもすごくて、なかなか平常心で蹴れなかったとは思います、みんな。僕も大舞台で蹴るのは初めてなんで、緊張しましたけど、それでもチーム全員が信じた結果だと思う」
そしてPKを成功させると、GKチョン・ソンリョンに向かって何かを叫びながら、胸を叩いた。その行動を、こう説明する。
「こっちは全員(PKを)決められる選手が揃っていたし、だからこそソンさんに少しでも力になれればなと思って。タイトルを取らなきゃいけないチームにいるからこそ、ソンさんなら絶対止めてくれると思って、それを必死に伝えてた」
序盤こそ途中出場でアピールする時間が続いた瀬川だったが、現在は、チームにとって欠かせない力になりつつある。その手応えを聞くと、力強い答えが返ってきた。
「僕自身はずっと使い続けてもらって、90分通してチーム力になれるというか、走ったり、黒子敵な感じでやるやることもできるし、ゴール前に勝負に仕掛けに行くこともできるっていう、そういうところを自信を持ってやれてるんで、そこをもっともっともっと表現して、外せない選手になりたいなと。まだまだ自分には課題が山積みだし、鬼さんにもっともっと信頼をしてもらえるような選手になりたいなと思います」
瀬川の気迫が、川崎にもっともっと大きなものをもたらしてくれそうだ。
(取材・文/中地拓也)