8月30日、川崎フロンターレはアルビレックス新潟と天皇杯準々決勝を戦い、PK戦の末に勝ち上がりを決めた。独特のアウェイの雰囲気と、そして蒸し暑さという、川崎にとっては過酷な環境となった、デンカビッグスワンスタジアム。そんな状況で、前半39分からスクランブル出場して勝利に貢献したのが瀬川祐輔だ。(前半から続く)
出場時間は81分間。しかし、異例の蒸し暑さの中で献身的な動きを見せていた瀬川だけに、延長後半には足をつっていた。それでもPK戦ではキッカーの2番目を務めた。
「鬼さんが(順番を)言ってくれたんですけど、1番から」と経緯を話すように、この日のキッカーと順番を決めたのは鬼木達監督だった。試合後、その指揮官は「元気な選手とか得意な選手とか、いろんなものを加味して選んだ」と振り返ったが、その中で出場時間の長かった瀬川に小林悠に続くキッカーを任せる決断をした。
瀬川はその決断を、「2番って言われてうれしかったです。信頼されてるんだなって思ったし、僕も鬼さんに応えなきゃなって思いました」と振り返り、次のように続けた。
「マルちゃんが怪我しちゃって、代わって入って、なかなか難しいゲームを僕の力でひっくり返すことはできなかったし、ずっと苦しい展開を耐え抜いた感じだったんで、僕の中ではちょっといろんな課題がまた出た試合にはなったんですけど。
でも、天皇杯は勝つことがすべてなので、そういった中で鬼さんが2番って言ってくれたっていうのは、僕の中でも自信になったし、ちゃんと決めれたっていうところも、さらに自信になりました」
勝利のみを目指す試合で任せてくれた指揮官の気概に、瀬川は燃えた。