【川崎・瀬川祐輔の新潟戦の気迫(1)】足をつっていたが、「フロンターレにいるっていうのは、タイトルを取らなきゃいけないチームにいるってこと」と執念で乗り切るの画像
アルビレックス新潟戦でPKを決める川崎フロンターレの瀬川祐輔 撮影:中地拓也

 8月30日、川崎フロンターレアルビレックス新潟天皇杯準々決勝を戦い、PK戦の末に勝ち上がりを決めた。

 会場はデンカビッグスワンスタジアム。ただでさえ完全アウェイという中にもかかわらず、会場はとても蒸し暑かった。ピッチレベルでいえばすこし動くだけで汗が垂れるような環境で、選手からも「押し上げたくても押し上げられなかった」という言葉が出たほどだった。

 そんな状況で、前半39分からスクランブル出場して勝利に貢献したのが瀬川祐輔だ。先発出場したマルシーニョが途中で痛みを訴えてピッチから下がるため、急遽、背番号30がプリントされたユニフォームに袖を通すこととなった。

 急な出番ということもあって、あの過酷な環境で最後までよく走り切ったと驚くほかなかったが、それについて聞いてみると、「いや、つってましたよ」と笑顔で実情を教えてくれた。

「つってたけど、僕しかあそこやれる人いなかったので、ポジション的に。ちょっと休めば、つったのも回復するタイプなんで、そこは本当に気持ちで」

 常に熱い言葉を発する瀬川は、続けてこう誇った。
「最後やられてしまったのはチームとしては、改善していかなきゃいけない部分ですけど、トーナメント戦なんて、今日、熊本が勝ったみたいに何が起こるか分からない。そういった意味では、すべて気持ち。そして、チーム全員で勝ち取った勝利」

 この日、別会場で行われた試合で、J1で首位争いをするヴィッセル神戸がJ2のロアッソ熊本に敗れた。何が起こるか分からないノックアウトの大会だからこそ、より気持ちが大事になると説いた。

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