J1の浦和レッズは、8月18日にホーム埼玉スタジアムで行われたJ1リーグ第24節の名古屋グランパス戦に1−0で勝利した。決勝点を決めたFWホセ・カンテへの評価が高まる中、“得点ではない”プレーに注目が集まり、称賛の声が上がっている。
気温30.6度、湿度72%という中で行われた試合。前半11分に振り向きざまの強烈な右足シュートを放って先制点を奪ったホセ・カンテは、その後も最前線で存在感を発揮する。後半は今季好調の名古屋の攻撃に押し込まれる時間が増えたが、そこで再び、背番号11のストライカーが仲間を助けるプレーを見せた。
後半21分、自陣右サイドでボールを握った右サイドバックの酒井宏樹が、逆サイドのスペースを狙ったホセ・カンテ目掛けてロングパスを蹴り込んだ。だが、このボールがイメージよりもやや前方に飛び、ワンバウンド目も大きく跳ねたことで、多くの選手、スタンドのファンが「ゴールキック」と判断した。
だが、32歳のストライカーは諦めなかった。センターラインを越えた付近から走り出したホセ・カンテは、ボールが予想よりも大きくなってもスピードを一切、緩めることなく約50mの距離を猛ダッシュし、最後はゴールライン際で滑り込みながら必死にマイボールにしようと試みた。惜しくもゴールキックになったが、最後まで諦めない“執念のプレー”に、スタンドのレッズサポーターからは割れんばかりの大きな拍手が沸き起こった。