■瀬川祐輔の振る舞い
その佐々木を発奮させるものがあった。それは、瀬川祐輔の“振る舞い”だ。「瀬川(祐輔)くんがベンチを盛り上げてくれて」と笑顔を見せる佐々木は、「“俺らがやるぞ”ってずっと言ってくれて、そういう先輩がいるんでみんな気合入っていますし、サブの選手で結果を残そうっていう思いが終盤の勢いにつながっている」と明かす。
佐々木は今季、序盤こそ先発で出る機会もあったものの、その後はベンチ入りやメンバー外が不規則に続いている。それでも、「今は“またベンチかよ”って気持ちはまったくなくて。出たらしっかりチームのために結果を残そうと思います」と話すのも、瀬川が果たす役割が大きいからのようだ。
だからこそ、前半には冷静に試合状況を分析していた。
「前半を見てて、サイドはけっこう空いてたんで、持ったら仕掛ける自信もありました。なにより、自分の特徴を出さなきゃいけないと思ってたんで、どんどん行こうと思ってた」
天皇杯のタイトルを獲得する権利は、残る8つのチームに絞られた。チームのために働くベンチメンバーが、その勢いをもたらす。