サッカー女子ワールドカップが開幕し、日本代表はザンビアから5点を奪って好発進した。この初戦白星が持つ意味、この先の道のりにおける重要性を、サッカージャーナリスト・後藤健生がひも解く。
■スペインといかに戦うべきか
日本は7月26日には南島南部、この大会で最も南に位置する会場ダニーデンで行われる試合でコスタリカと対戦する。
ランキング的にはザンビアやパナマよりかなり上位の36位だが、ザンビア戦と同じように絶対に失点はしないように慎重に守りながら、きちんとゴールを決めて勝点3を確保すれば成功である。先日の親善試合で対戦したパナマはコスタリカの隣国。その経験も生かせるはずだ。
「悩みどころ」は、無理をしてでもこのグループ首位通過をする必要があるかどうかの判断だ。
もし、スペインに勝って(あるいは引き分けて)なんとしても首位の座を確保したいのであれば、コスタリカ戦ではメンバーを変えて、ローテーションを行うべきだ。そして、2戦を通じてベストメンバーを組んでスペイン戦で勝利を目指すのだ。
スペインとは、2018年と2022年のU-20女子ワールドカップで2大会連続で決勝で顔を合わせ、2018年には日本が、2022年にはスペインが勝利しており、池田太監督にとっては因縁の相手となる。また、昨年11月には日本が遠征してセビージャでフル代表同士が対戦し、スペインが1対0で勝利している。
ランキング的にはスペインは6位で日本より格上ということになるが、きちんとパスをつないでくるスペインは日本にとってやりにくい相手ではないはず。最強メンバーを組んで、良いコンディションで戦えば、けっして勝てない相手ではない。
だが、逆に、「コスタリカ戦でもメンバーを落とすことなく戦って2連勝でグループリーグ突破を決めてしまい、スペイン戦で主力級を休ませてラウンド16以降を目指す」という選択もある。
どちらの戦略を選ぶべきか。それが、池田監督の「悩みどころ」である。