7月15日、J1リーグ第21節が行われ、昨季王者の横浜F・マリノスと川崎フロンターレが対戦。神奈川ダービーとしても気合が入った両チームの対戦は劇的な結末を迎えた。
試合開始時点で1位と9位という、順位的には差のついた立場で迎えた試合だったが、開始時点からピッチ上の22人がハイレベルなゲームを見せつけた。開幕戦でも戦ったカードであり、ここ数年の覇権を争ったチーム同士でもあるだけに、誰もが勝利のみを求めていた。
それでも、スコアレスのまま時間が推移。後半途中に川崎がPKを得たものの、家長昭博が蹴ったボールを一森純がセーブ。やはり得点が生まれない。
しかし、である。後半ロスタイム、衝撃のゴールが生まれた。遠野大弥が右サイドからボールを持って中に侵入すると、ペナルティアークの中にいた瀬川祐輔に預ける。瀬川はゴールに対して背中を向けていたが、右サイドを縦に走ろうとする大南拓磨を確認するや、そこに浮き球のパスを送る。
ペナルティエリア内の横浜FMの最終ラインとGKの間を目掛けたパスにはバックスピンがかかっており、また、大南が完璧なタイミングで裏に抜けたこともあって、背番号3が背後を取ることに成功。
その瞬間、ゴール前に走ったのがDF車屋紳太郎だった。大南は出てきた相手GKの横をうまく通して中にボールを入れると、その先に車屋が走り込む。最後は体ごと押し込んで、先制点にして決勝点を記録したのだ。