■「どこで触ったかも分からない」

 常日頃、全体練習とその後の居残り練習で努力し続けてきた山田は、そうした練習での形とは違っていたが、うまく決められてよかったと笑顔だった。

「ああいった場面でも、キーパーのいないところに打つ。今回はとりあえず押し込んだっていう形ですけど。ああいったところ、クロスでワンタッチで、キーパーのいないところに打つ練習をしてたので」

 そんなシュートは「どこで触ったかも分からないですけど」というものだったらしいが、ある意味で山田らしいがむしゃらさが出た得点だった。

 なお、5年前のアベック弾は最終戦でプリンスリーグ残留を決定させた試合での貴重な得点で、その時のスコアも3-0だった。苦しむチームを救うアベック弾だったということで、得点力不足に苦しむ川崎を、ここからの二人の得点で救ってもらいたいところだ。

(取材・文/江藤高志)

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