川崎・山田新の得点の裏にあった、コーチとの1対1の自主トレの成果。「ミツさんと向き合えた」と恩人コーチの名前を挙げるの画像
川崎フロンターレの山田新が湘南から同点弾を決めた場面 撮影:中地拓也

 思わず「エグいシュートでしたね」と質問してしまった。山田新の同点ゴールの話だ。

 山田は6月28日にレモンSで行われたルヴァンカップ第6節の湘南戦に82分から出場。88分に強烈なシュートをねじ込み、逆転ゴールの足場を作っている。

 この得点の凄さは、対応した相手選手を振りほどき、ドリブルで運んだ力強さにある。並の選手であればトラップした瞬間にボールロストするような激しい守備だったが、力技でこれを収めて前方に持ち出し、ゴールまでねじ込んだ。そんなゴールを振り返る最初の言葉は、チームメイトへの称賛だった。

「カズキくん(小塚和季)のパスが良かったなと思います」

 山田はさらに、小塚のパスについて「カズキくんは本当に、見てなくてもパスを出せる。背後にパスを出せる選手なので」と述べ、「カズキくんが受けた時点で……受ける前からもう、走ろうっていうのは。練習の中でもそうですけど、出せる選手なので。そこは決まってて」とボールを受ける場面までを振り返ってくれた。

 そして「あんまりそんなに細かく、覚えてないですが」と話しつつ、相手選手との位置関係の悪さについて「態勢は確かに悪かったと思うんですけど、今の自分の能力なら、前に転がれば何とかなると思って」とドリブルで運んだ場面を説明してくれた。

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