【日本代表6月2連戦の主題(2)】森保ジャパンの攻撃のキーマンである三笘薫&古橋亨梧を共存させる道筋とは……カタールW杯とは異なる新ホットラインの画像
三笘薫と古橋亨梧は昨年のエクアドル戦(デュッセルドルフ)以来となる 撮影:中地拓也

 そのうえで、エルサルバドルとペルーとの2連戦の戦い方を考えてみると、いかにしてゴールを奪うかという問題に突き当たる。

 3月シリーズは、初戦のウルグアイ戦(東京)で西村拓真(横浜)、2戦目のコロンビア戦(ヨドコウ)で三笘がゴールを奪っているが、FW陣にゴールがなく、全体的に攻撃の迫力不足が目についた。

 相手がウルグアイ、コロンビアだったこともあるが、日本としてはもっと分厚い攻めができなければ、3年後のW杯で悲願の8強入りを果たすのは難しいと言わざるを得ないだろう。

 今回は相手のレベルが3月より少し下がると見られるうえ、日本のアタッカー陣も実績を積み上げていて、自信と経験を増している。イングランド・プレミアリーグ初挑戦ながら日本人歴代最多ゴールを奪った三笘はその筆頭だし、久保もリーガ・エスパニョーラで9ゴールをマーク。自分の成長を実感しながら今回の代表に合流している。

 スコットランドで公式戦34ゴールを挙げ、MVP&得点王をダブル受賞した古橋、初参戦のベルギー1部で得点ランク2位の22得点とブレイクを果たした上田綺世もいる。伊東純也浅野拓磨らも充実したシーズンを過ごしており、日本の新たな得点源になれそうな人材は少なくないはずだ。

 そんな中、特に注目度が高いのが、三笘と古橋だろう。2人は1年前の2022年6・9月シリーズで顔を合わせているが、一緒に代表戦に出たのはチュニジア戦(吹田)とエクアドル戦(デュッセルドルフ)だけ。どちらも2人が好連携を見せるシーンは少なく、持ち前の推進力や決定力が影を潜めてしまった。

 それから1年近くが経過し、それぞれの個人能力は格段にアップした印象だ。三笘の左サイドの打開力やフィニッシュの迫力は誰もが認めるところだし、古橋もここ一番の勝負強さに磨きがかかった。もともと裏への抜け出しは頭抜けたものがあったが、相手DFとの駆け引き、ゴールポイントに飛び込む鋭さ、シュートのバリエーションも向上が見られる。彼ら2人を共存させ、得点力アップにつなげられれば、日本代表ももうワンランク上のステージに行けるはず。この2連戦では、三笘・古橋共存の道筋をぜひとも見出してもらいたい。

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