50分に先制点を奪われたが決して慌てる様子はなかった。浦和は右サイドからテンポ良くつなぎ72分、伊藤敦樹がDF酒井宏樹へ絶妙なラストパスを送った。「トラップをして、あれ以上、溜めていたら宏樹くんがオフサイドになっていたと思いますし、上手くタイミングをずらせた良いアシストになったと思います」
その後も同点に追いつき勢いに乗った浦和が攻め続け、90+2分に伊藤が大仕事をやってのけた。酒井のクロスをFWブライアン・リンセンが折り返し、最後は伊藤が左足で流し込んだ。「監督から2列目の飛び出しを求められていたので前半から意識していました。上手くいったかは分かりませんが、いつもより回数は多かったですし、そのおかげでより高い位置でプレーできたので2得点に絡むことができたと思っています」。
伊藤にとってこれが今季リーグ戦2点目、「あの時間帯に点を決められて勝利に導くことができて良かったです」と言葉に力を込めた。
得点後は、しばらく仰向けとなり空を見上げていたが「疲れもありましたし、喜びもあって噛みしめながら寝ていました」と屈託のない笑顔で答えた。
ここまで90分を通してのプレー強度も高く、リーグ戦14試合中10試合でフル出場を記録。「昨年は90分間、強度を保つことできませんでしたが、今年はフル出場することが多く、そこは成長できているところだと思いますが、上を目指す中でもっと高めていきたいです」と確かな手応えを感じていた。