■アジアカップが一つの節目か

 だが、海外を見れば、クリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)やオリヴィエ・ジルー(ミラン)のようにカタールで勇敢に戦い抜いたFWはいる。大迫がその領域に達しようと思うなら、ケガのない強靭な肉体を作り上げ、高強度のプレーを維持し、そのうえでゴールという結果を量産し続けることが重要になってくる。

 1つの節目は2024年1~2月のアジアカップ(カタール)だろう。2019年UAE大会を準優勝で終わっている指揮官にとって、アジア王者奪回は至上命題。2026年W杯を視野に入れつつも、勝てるメンバーでチームを編成しなければならない。浅野、前田、上田らの代表でのパフォーマンス、細谷や木村勇大(京都)、熊田直紀(FC東京)ら若い世代のFW陣の成長度次第では、ベテランを呼び戻すという選択をしないとも限らない。

 いずれにしても、大迫が今季Jリーグでフル稼働し、圧倒的な数字を残すこと。それが代表復帰の絶対条件になる。それを2026年まで続けるというのは並大抵のことではないが、今の彼を見ているとそういうことも不可能でない気がしてくる。

 まずは25日に発表される代表FWの陣容を待ちつつ、大迫には彼らを凌駕する目覚ましい仕事ぶりと結果を期待したいものである。

(取材・文/元川悦子)

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