ドイツ・ブンデスリーガが、SNSの公式アカウントで日本人選手を取り上げた。ベテランの域に入ろうとするアタッカーのアクロバティックな守備に再脚光が当たり、他とケタ違いの再生回数を叩き出している。
原口元気は9日、32歳の誕生日を迎えた。下部組織で育った浦和レッズから23歳でヨーロッパへ羽ばたき、ヘルタ・ベルリンに加入。浦和のトップチーム在籍期間を超える9シーズン目に入ったドイツで、今も第一線で戦い続ける。
ブンデスリーガ2部を戦った時期もあり、今シーズン前半はウニオン・ベルリンで出場機会に恵まれなかった。冬の移籍市場で1部残留争いを繰り広げるシュツットガルトへの完全移籍を選択し、新天地で攻守にわたり献身を続けたものの、4月に入りメンバーを外れる試合が増えた。それでも先週末のヘルタ・ベルリン戦では、古巣を相手に先発のピッチに戻ってきた。苦しい時期も受け入れ、乗り越え、原口はドイツでのキャリアを築いてきた。
昨年にはワールドカップ出場メンバーから外れるという悔しさも味わった原口だが、ドイツで懸命に戦い続けている。そのサムライを、ドイツの人々は見つめ続けている。
誕生日を迎えた9日には、ブンデスリーガがインスタグラムの公式アカウントで原口を祝福。その際に公開した原口のプレー動画が、あらためて賛辞を呼んでいる。
取り上げられたのは、原口のシュツットガルト移籍後初出場となった2月5日のホームでのブレーメン戦だ。シュツットガルトのゴール前で、ブレーメンDFアントニー・ユングがポジションを取る。クロスをボレーで叩こうと、シュートモーションに入った瞬間、画面の外から飛び込んできた選手がいる。原口だ。
ボックス外から猛烈なスピードで走り込み、フリーのユングへと送られたクロスに飛び込む。ボレーシュートのように空中へ体と左足を投げ出し、ボールを思い切り弾き出した。あまりの速さに、ユングも驚いたようで、視線はゴールに向いたまま、左足は空を切るだけだった。