■イランの水田

 さて、「プラウ」で使う米はどこから来るのでしょうか? 実は、テヘランのすぐ北側で収穫されたものなのです。

 イランというと、日本人はまず砂漠を思い浮かべることでしょう。実際、テヘランより南は乾燥しきった完全な砂漠です。あるいは、船でペルシャ湾から上陸すれば、そこは一面の砂漠です。だから、外国人はイラン=砂漠と思い込んでいるのです。

 しかし、テヘランから4000メートル級のエルブールズ山脈(イラン語ではアルボルズ山脈)を越えて北側(カスピ海側)に行くと北側斜面は雨の多い湿潤地帯で鬱蒼とした森になっています。そして、山脈を降りて平地に入るとそこが水田地帯になっているというわけです。

 ポー川流域の雄大な景色とも違って、イランの稲作地帯には小さな水田が連なっているように見えました。

「水田のある風景」というのは、日本だけのものではないわけです。

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