J2のV・ファーレン長崎を率いるファビオ・カリーレ監督が、人生初挑戦に真っ向勝負した。その熱いシーンに、各方面から賛辞が寄せられている。
カリーレ監督は昨年6月、新しい挑戦をスタートさせた。自身初となる日本のクラブでの監督就任を決断したのだ。母国以外にサウジアラビアでも監督を務めたが、同じアジアとはいえJリーグで指揮を執るのは相当にチャレンジングなことだったはずだ。
その49歳の指揮官が、異国の地で慣れない舞台に身を投じた。プロ野球の始球式という大役を引き受けることを決めたのだ。
登ったのは、18日に長崎県営野球場で行われた読売ジャイアンツと横浜DeNAベイスターズによる一戦のマウンドだ。ジャイアンツの長崎県内での公式戦開催は14年ぶりとあって、注目の集まる一戦だった。
やや緊張の面持ちで、カリーレ監督は球場のマウンドへと向かった。サッカーならばチームメイトと一緒にピッチに入っていくが、スタジアム中の視線を独り占めしながら登場すること自体も、人生初体験だったに違いない。
ユニフォームの選手の名前が入る部分に「V VAREN」の名を背負い、背番号は「12」。振りかぶらずに、ノーワインドアップのフォームで右腕を振るう。ありがちな暴投やワンバウンドではなく、ストライクゾーンには入らなかったもののキャッチャーのミットに収まった投球には、スタジアム中から拍手が送られた。
この動画がSNS上で公開されると、長崎のファンも喜んだ。
「カリーレさん、ナイスピッチング」
「素晴らしい投球」
「カリーレ監督ノーバンで!!! ナイスピッチ!!!」
「監督めっちゃ笑顔」