J2「18位と19位」モンテディオ山形と清水エスパルス「監督交代リスタートのリアル現在地」!「熱血漢」清水・秋葉忠宏新監督が語った立て直しのカギは「インテリジェンスと超積極性」【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
秋葉忠宏監督(清水エスパルス)   写真:西村尚己/アフロスポーツ

■秋葉カラーがシステムに見えた

 4月3日に監督交代を発表した清水エスパルスが、6日にルヴァンカップに臨んだ。ゼ・リカルド監督が去って秋葉忠宏コーチが監督に昇格し、新体制でJ1の湘南ベルマーレと対峙した。

 清水は3月26日のルヴァンカップから4月22日のJ2第11節まで、9連戦を消化しなければならない。ルヴァンカップの3日後にJ2第8節が控えていることもあり、秋葉新監督は直近のリーグ戦からターンオーバーをした。GK権田修一やFWチアゴ・サンタナらの主力をメンバー外とし、J2リーグで出場機会の少ない選手、出場機会のない選手をスタメンと控えに多く並べた。

 湘南も同じように、リーグ戦で出場機会の少ない選手を積極的に起用している。とはいえ、チームとしての「積み上げ」には明らかな違いがある。

 山口智監督が2021年9月から指揮する湘南には、長く構築してきたスタイルがある。清水は秋葉新監督就任から4日目で、この試合に臨んでいる。さらに言えば、湘南はJ1で2勝2分2敗と悪くないスタートを切ったが、清水はリーグ戦でドロ沼の7戦勝ちなし(6分1敗)だ。ルヴァンカップでは1勝1分と勝点を得ているが、チーム状態は対照的と見ていい。

 そのなかでも、「秋葉カラー」が早速見えた。前監督が採用した4バックではなく、3バックで臨んだのである。

 20年から22年まで采配を振るった水戸ホーリーホックで、秋葉監督はシステムにこだわらないサッカーで選手の個性を引き出した。16年のリオ五輪でコーチを務め、その後も育成年代の代表チームに関わってきたこの指揮官は、世界のスタンダードも意識している。試合後の会見でシステムについて聞かれると、水戸でおなじみになった熱っぽい語り口で説明した。

「選手の特性を見たなかで、特徴を出すことをやっていこうと、僕は思っていますから。4バックしかできない、3バックしかできないとかいう時代ではないですし、可変も含めてやるのが普通な時代ですから。

 3でも4でもできなかったら代表に呼ばれなくなってしまいますから、どんなフットボールにも対応するのが現代サッカーのインテリジェンスのあるフットボーラーだと思っていますので、そのなかでどういうチョイスをするかと言ったら、自分たちの選手が力を発揮できる、そのなかで相手との関係性を見て、今日は3バックでスタートすることを決めました」

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