日本代表が、カタール・ワールドカップ以来となる活動を開始した。サムライブルーだけではなくU-22日本代表も集結し、ヨーロッパへと遠征した。実り多いものとなった2試合を、サッカージャーナリスト・後藤健生が振り返る。
■不完全燃焼感を忘れさせる試合
森保一監督にとっての2期目の挑戦が始まり、日本代表は初戦のウルグアイ戦(3月24日)は1対1の引き分けに終わった。
守備陣ではベテラン勢が招集されず、経験の浅い選手が並んだが、予想以上の安定性を示した。しかし、さすがに攻撃のサポートまで手が回らず、攻撃は停滞した。サイドバックがビルドアップに関わる回数が少なかったし、サイドバックとサイドハーフとの連携もまだ試行錯誤の段階だったからだ。
たとえば冨安健洋からの正確なフィードとか、酒井宏樹や長友佑都のサポートなどがあったとしたら、日本の攻撃は間違いなく活性化していたことだろう。
いずれにしても、“不完全燃焼”の試合だった。
さて、日本代表がホームの大観衆の前で戦った、その数時間後にはパリ・オリンピックを目指すU-22日本代表はドイツ・フランクフルトの小さなスタジアムでドイツと戦って2対2で引き分けた。そして、U-22代表は3月27日(日本時間28日)にはスペイン南部のムルシアに転戦してベルギーと対戦。2対3の敗戦に終わった。
結果は2試合未勝利に終わったものの、“不完全燃焼”感が漂ったフル代表のウルグアイ戦に比べれば、U-22代表からはより積極性を感じることができた。