「寄せ集め」だからこそ見えてきた日本の戦術理解度の高さ【「3戦全勝」に見る日韓大学サッカーの変化】(2)の画像
日韓両国のサッカー界において、大学は大事な役割を果たしてきた(写真はイメージです) 撮影:中地拓也

 大学サッカーは現在の日本サッカー界において、重要な選手育成の場だ。かつては韓国でも大卒の名手が多くいたが、最近では様相が変わっている。3月21日の両国の大学選抜チームの対戦から、サッカージャーナリスト・後藤健生が現状を読み解く。

■「準備不足」の痛手

 試合後の記者会見で韓国のパク・ジョングァン監督は「準備期間が10日しかなかった」と準備不足を強調した。

 しかし、準備期間が少なかったのは日本も同じ。全日本大学選抜を率いたイ・ウヨン監督(専修大学、元Uー23韓国代表選手)が「よく知らない選手もいた」と冗談めかして語ったくらいだ。

 韓国のパク・ジョングァン監督に「準備不足」を痛感させたのは、日本の選手たちがそれほど長いトレーニング期間を与えられたわけではないにも関わらず、戦術的に見事な連携を見せたからなのだろう。

 つまり、日本の選手たちの間ではハーフスペースを使ってパスを回すとか、サイドハーフとサイドバックの連携でサイドで数的優位を作るといった戦術面での共通理解ができていたのだ。

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