■アジアの怖さを痛感
そして、松木の先制ゴール以降は互いにオープンな攻め合いとなり、前半終了間際の44分にはCKからの混戦でDFのヘディングシュートがクロスバーを直撃する決定的なピンチがあり、74分にはついに同点に追いつかれてしまう。
またも左CKからのボールにサウジアラビアの長身選手たちが跳び、その後ろから進入してきたヤジド・ジョシャンに決められたもの。
その4分後に、同じく左CKのボールをニアサイドに走り込んだ松木が頭で決めて、日本はキャプテンによる見事な2ゴールで勝利して首位を確定したが、内容的にはどちらが勝ってもおかしくない試合だった。
日本の繊細なサッカーに比べればかなり粗削りだが、アバウトなボールにテクニックとパワーを兼ね備えた選手が次々と絡んでくる。緻密さはないが、ボールを収め、そして枠内にシュートを飛ばす技術では日本人選手を上回る……。
このサウジアラビア戦も、「アラブの強豪国相手の負けパターン」の典型だった。
いずれにしても、中国やサウジアラビアを相手に苦戦を強いられたU-20日本代表の選手たちは、「アジアとの戦い」の怖さを痛感したことだろう。その経験を、このチームでの今後の戦い、そして将来のオリンピック予選やフル代表での戦いに生かしていってほしいものである。