■中東のフィジカル

 こうして、中国との初戦で「アジア相手の負けパターン」を経験した日本は、2戦目のキルギスとの試合では3対0で快勝したが、最終のサウジアラビア戦では再びアジアの真剣勝負の怖さを体験する。

 サウジアラビア戦では、この大会で唯一、前半のうちに先制ゴールを決めることに成功した。

 MFの山根陸(横浜F・マリノス)からのボールを左サイドで受けた北野颯太から安部大晴(V・ファーレン長崎)、そして松木玖生とワンタッチパスがつながって、最後は松木がDFやGKと駆け引きしながら冷静に決めたものだ。

 だが、その後はサウジアラビアのテクニックとパワーに押し込まれる場面が多くなった。

 アバウトなボールを蹴り込んで、そこで1対1の勝負を仕掛けられる。その連続だった。

 フィジカル的には日本より明らかに上のサウジアラビア。テクニックもスピードも兼ね備えており、日本のDFがサポートなしに1対1で勝負されるとどうしても劣勢に陥ってしまう。また、ミドルシュートにも怖さがある。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4