2月18日、FC東京は今季のJリーグ開幕戦を戦った。相手は新指揮官を迎えた浦和レッズ。ホームで迎えた開幕戦とはいえ、いきなり難しい試合だった。
3万8千人以上のサポーターが駆け付けたこの試合は、両チームががっぷりよつの構えでなかなか得点が生まれない。前半をスコアレスで折り返すと、スコアが動いたのは後半21分。オウンゴールではあったが、途中出場の安部柊斗の見事な切り返しから生まれたゴールだった。
さらに、同29分に追加点をゲット。渡邊凌磨がゴールネットを揺らして白星を確信のものとし、開幕戦で見事な完封勝利を飾ったのだった。
その今季初戦のFC東京のスターティングメンバーの中に、注目された長友佑都の名前がなかった。カタールワールドカップで日本代表の躍進を支えたベテランだったが、W杯後には引退の可能性も示唆。それでも、周囲の熱い要望もあって現役を続行した。
そしてベンチから始まった今シーズン、ピッチに立ったのは後半24分からと出場時間は20分強だったが、その存在感は存分に示した。それが如実に表れたのが試合後の場面だ。
勝利に興奮する選手の中で、背番号5がひと際大きな声を上げる。
「ナイス、ナーイス!!」
さらに、「戦術の前に戦うこと、戦うこと! みんな戦ってた! ナイス!」と声を振り絞ってチームメイトを鼓舞したのだ。