■「ポジションに関係なく自分を出せるようにならなければいけない」

 大関がこのチームで目指すポジションは、まずはインサイドハーフが候補に挙がる。しかし、「そこにはすごい選手が多くいる」。そういう状況だからこそ、練習試合ではまったく違うポジションでの出場が続いた。

 1年目のただでさえ不慣れな状況でアピールをしなければいけなかったが、そこに、戸惑いはない。「その中で、自分が今までなかなかやってこなかったポジションでもチャンスを与えてもらっているという意味では、プラスに捉えていかなければいけないですし、いろんなプレーの幅も広がると思うので、ウイングだったりトップでも出ましたけど、そこでもアピールしていかないといけない」と語気を強める。

 さらには、「そういうポジションで結果を出さないと、やりたいポジションもやれないと思いますし、ポジションに関係なく自分を出せるようにならなければいけないと思ったので、やりづらさはもちろんありましたけど、自分の気持ちの中は“やってやるぞ”となっていました」と熱い心の内も見せてくれた。

 その大関の良さが実戦の場で表れた場面が少なくとも2つある。一つは、1月31日に行われた名古屋グランパス戦での3本目、30分過ぎの場面だ。右サイドに入った大関は、“つながり”を意識しながら周囲の選手とショートパスをつなぎ、そして、中をうかがった。すでにトップチームで何年もプレーしているかのような連動性を見せており、その場面について尋ねてみると、「(その場面を)覚えています」と、次のように説明した。

「もともと自分がドリブルで縦に仕掛けるタイプでもないですし、スピードがあるわけでもないので、周りを生かして、周りに生かされるということをずっと意識してやってきたので、サイドに入っても中の選手と関わりながらということをずっと意識してやっていました。なので、ウイングの位置でも、もらってから自分が起点になるっていうのは、他のポジションと一緒だと思いますし、鬼さんも“誰かとつながっているのを意識しろ”と言っているので、そこの部分というのは、練習中も試合中も常に意識してやっています」
 そしてもう一つの場面は、サガン鳥栖との練習試合の4本目の得点シーンである――。

【おおぜき・ゆうと】
2005年2月6日、神奈川県川崎市生まれ。178cm/60kg。
川崎フロンターレU―18から昇格。背番号

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