J1のサンフレッチェ広島は3日、2人の背番号11の写真をSNSで公開した。時代を超えて愛される2人の邂逅に、ファンも胸を熱くしている。
広島は1月5日、今シーズンの選手の背番号を発表した。このアナウンスは、クラブと選手の強い思いが込められたものだった。広島に、背番号11が戻ってきたのだ。
ここ6シーズン、広島の11番は空き番号となっていた。最後に背負っていたのは、2020年限りで選手を引退した佐藤寿人さん。2005年にベガルタ仙台から完全移籍で加わって以降、12シーズンにわたって背番号11を背負っていた。
佐藤さんの長い在籍期間は、多くの物語であふれていた。2007年にはJ2降格を味わったが、2008年には28ゴールを決めてチームをJ1へと復帰させている。加入以降、11シーズン連続で2ケタ得点を記録。2016年には出場時間を減らすとともに、4得点に終わり、名古屋グランパスへの移籍を選んだ。
この偉大な選手の重みある代名詞を、誰も背負うことができずにいた。だが今季、ようやく後継者が手を挙げた。昨季、ルーキーながら主力として活躍し、リーグ戦で9得点を決めた満田誠が、背番号を39から11へと変えることを決断したのだ。
流通経済大学からの加入だが、広島のユースで育った満田だ。背番号11をまとう責任は、十分に理解している。
その新旧2人が一枚の写真に収まっている。クラブがツイッター公式アカウントで公開した写真の中で、佐藤さんと満田はコーナーフラッグを挟んで立っている。コーナーフラッグを握るのは、佐藤さんのおなじみのゴールセレブレーションだった。