「スペシャル・ワン」こと、現在ローマを率いるジョゼ・モウリーニョ監督が還暦を迎えた。節目の誕生日に試合中とは一味違う動画が公開され、多くの人を喜ばせている。
ポルトを率いて、41歳でUEFAチャンピオンズリーグを制した。手腕を買われてチェルシーに引き抜かれると、就任初年度に圧倒的な強さでプレミアリーグ制覇。イタリアに渡ると、インテルを欧州の王座へ導くとともに、同国史上初の3冠を成し遂げた。
その後もレアル・マドリード、マンチェスター・ユナイテッドなどを率い、ヨーロッパの最前線で戦い続ける。近年は目覚ましい結果は出ていないが、人々はモウリーニョに引きつけられ続けている。
自らを「スペシャル・ワン」と呼び、対戦相手の監督には舌鋒鋭く心理戦を仕掛ける。カメラにとらえられる表情も、仏頂面が多い。
それでも、スペシャル・ワンは格別、人々に愛される。今月26日に還暦を迎えると、所属するローマはもちろん、各所で60歳の誕生日が祝われた。
UEFAチャンピオンズリーグのツイッター公式アカウントでも、モウリーニョの“スペシャル動画”が公開された。舞台は、チャンピオンズリーグの試合開始前の入場口のようだ。通路の両脇には、対戦する両チームの選手たちとの入場を待つエスコートキッズたちが並んでいる。
その子どもたち全員と、モウリーニョはタッチを交わしていく。大きく腕を振るって元気を促していくのだが、うれしそうな子どもたちの表情を見ているとモウリーニョの頬も緩んでいく。
サッカーと同じように一本調子にすることはなく、女の子の手のひらには優しくタッチ。スタンドから大歓声が響くピッチ方向を向いている男の子には、耳たぶをつまんで来訪を告げる。子どもたちの笑い声を背に、ベンチへと向かっていった。