大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第103回「ペレに関する10のことがら」(前編1)最初は嫌っていたニックネーム「PELE」の謎の画像
ペレは世界中で愛された 写真:Panoramic/アフロ

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。重箱の隅をつつくような、サッカージャーナリスト・大住良之による「超マニアックコラム」。今回は、「サッカーの王様」について。エピソードとともにペレを紐解いていく。

■2022年のショック

 ワールドカップに沸いた2022年。年末のショックは、ペレの死だった。

 11月に入院し、カタールのワールドカップ期間中にはブラジルのサポーターを中心にペレの回復を祈る横断幕がいくつもスタンドに掲げられた。ペレは病床から大会を見守り、決勝戦後には、優勝したアルゼンチン・チームだけでなく、リオネル・メッシにも、そして56年ぶりに決勝戦でハットトリックを演じたフランスキリアン・ムバッペにも、さらにはペレより20歳も若かったのに2年前に亡くなったマラドーナにも、自身のSNSで祝福の言葉をかけ、何よりもサッカーそのものを祝福した。

 だがそれからわずか11日後の12月29日、容体が悪化し、多臓器不全で帰らぬ人となった。82歳。世界中を魅了したあのもう笑顔が見られないのは本当に寂しい。今回と次回、ペレのシンボルと言ってもいい「10番」にちなんで、ペレに関する10の事柄について書こう。

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