■女子サッカーの未来のために

 同様の事案は、かつて男子の天皇杯全日本選手権でも起こっていた。

 関東勢同士の試合が関西の会場で行われ、同日に関西のチームが首都圏で戦った。そのことについて批判が高まったので、現在では対戦カードが決まってから、各試合の会場を決める方式に変更になっている。サポーターにとっての観戦機会を増やし、観客動員も増加させる。プロなら当然の配慮だろう。

 そうした前例もあるのだから、女子の皇后杯もそれに倣ってほしい。

 もちろん、皇后杯はWEリーグではなく、日本サッカー協会(JFA)主催のイベントだ。

 しかし、女子サッカーのプロ・リーグ化=WEリーグの創設はJFA主導で行われたものだ。もっとはっきり言えば田嶋幸三会長肝煎りのプロジェクトのはず。プロ・リーグの成功、女子サッカー人気の拡大は協会を挙げての目標にしなければならないし、そうしなければ、せっかくすそ野を広げつつある日本の女子サッカーの将来がなくなってしまう。

 皇后杯の今後は、早急に考えてほしい案件なのである。

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