■香港で見る紅白歌合戦
この時、僕は九龍半島のアパートの1室に泊っていました。大学院時代の知り合いのマカオ系香港人が「空いてる部屋があるから泊っていいよ」と言ってくれたのです。
昔の啓徳(カイタク)空港のそばでした。
啓徳空港は九龍半島の付け根付近、つまり九龍の繁華街のすぐ近くにあって、とても便利な空港でしたが、同時に着陸する時には高層ビルが建ち並んだ中を進入しなければならないので危険な空港としても知られていました。
泊っていたアパートのベランダに出て眺めていると、本当に目の前を大型旅客機が降下していくのです。
日本チームは12月30日の準決勝で、延長戦の末に北朝鮮に敗れてしまいました。何度もチャンスを作りながら決定力に欠け、延長後半にカウンターから失点してしまったのです。
その後は年末の香港を観光して過ごしました。
大晦日の夜にテレビをザッピングしていたら、香港のテレビ局がNHK紅白歌合戦を生中継していたので、広東語の吹き替えで紅白を見るという面白い体験もできました(そもそも、日本にいるときには「紅白」なんて滅多に見ないのですが)。
僕は、天皇杯全日本選手権決勝は1966年度大会から見ています。釜本邦茂、森孝慈の早稲田大学が、日本サッカーリーグ(JSL)チャンピオンの東洋工業に勝って優勝した大会です(大学チームの優勝はこれが最後となりました)。
そして、それ以来、天皇杯決勝はずっと見ているのですが、1980年度の決勝(1981年の元日)は、香港に行っていたので唯一観戦していません。JSL2部の田辺製薬が決勝に進出して三菱重工に挑戦した試合でした(三菱が1対0で勝利)。