年が変わっても、サッカーにオフはない。ワールドカップの熱が冷めないままに新年に入り、年明け早々にはJリーグのチームが始動する。日本代表の多数を占める海外組の選手たちは、シーズン真っただ中だ。2人の大ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生もスイッチオンのまま、サッカーの来し方行く末を語り尽くす。
■モンスターの出現を期待
――新たな流れが見えてきた世界のサッカーで、日本代表が勝っていくには何が必要でしょうか。
大住「当たり前のことだけど、個人がもっと強く速く、賢く、図太くならなきゃダメだね」
後藤「それは一歩ずつしか進めないよ。4年でがらっと変わるわけじゃないんだから。今回の日本代表も4年前のチームより強かっただろうし、4年ごとに強くなっているのは間違いないんだから、これを続けていけるかが大事だよ。ただ、モンスターが1人現れたらな、という思いはあるけどね。釜本邦茂がいたらなあ、という話だよ。そういう選手が出てきた時に、もっと上を狙っていけると思う。少なくとも60年前には釜本という選手が現れたんだから、層の厚くなった日本のサッカーからいつかは現れてくれるだろうと待っているんだけど」
大住「アルゼンチンが30年周期なんだったら、日本は60年周期でそういう選手が出てくれてもいいんだけど」
後藤「釜本さんが世に出てから60年経つんだから、そろそろかもしれないね。中盤やサイドバックはそれなりの選手がいるんだけど、CBとかCFとかGKでもそういう選手が現れてくれないと」