後藤健生の「蹴球放浪記」第141回「サッカー取材と地下鉄の関係」の巻(2)ヨーロッパでもそれぞれに違うお国柄の画像
2001年のハンガリー対ルーマニアのW杯予選。古いネプスタディオンでの試合だった 提供/後藤健生

 カタールワールドカップが終了した。蹴球放浪家・後藤健生にとっては、最大の思い出のひとつがメトロとなった。世界中で敷設されている地下鉄だが、そこには各国それぞれの色も見える。現時点での終着駅から、かつて巡った国々へと記憶のレールをたどっていく。

■地上を走る地下鉄

 スウェーデンのストックホルムの地下鉄は岩盤の中を走っています。あの街の地下は硬い岩盤に覆われていて、駅なども岩盤層がむき出しになっています。岩盤を一種のデザインとして利用しているのです。ですから、ストックホルムの地下鉄は比較的浅いところを走っています。

 もっと浅いところを走る地下鉄もあります。

 ベルギーの首都ブリュッセルの地下鉄は「地下鉄」というよりもトラム(路面電車)の一部です。トラムの路線のうち、都心部だけが地下になっているのです。道路を掘って、その溝の中に線路を敷設。上に“蓋”をして、その上を自動車が走っているのです。ですから、コンクリートの“蓋”のすぐ下の非常に浅いところを走っているというわけです。

 同じように、道路のすぐ下を走っていたのがハンガリーの首都ブダペストの地下鉄(トラムの地下区間)でした。階段をほんの20段くらい降りれば、すぐに地下鉄のプラットフォームなので、大変に便利です。

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