■ハンガリーでの思い出

 そして、ブダペストの地下鉄のもう一つの名物が「検札」でした。

 ブダペストを訪れたのは2001年9月のことでした。2002年日韓ワールドカップのヨーロッパ予選、ハンガリー対ルーマニア戦を観戦に行ったのです。

 地下鉄に乗るにはまずチケット(または回数券)を買って、そのチケットをガチャンと駅や車内の改札器に通し、乗車時刻の刻印を印字して有効化する方式でした。ヨーロッパのバスやトラムでは一般的なシステムでした(今ではICカード化されているでしょうが)。

 改札口などありませんから、乗る時にチケットの有効化をしなければ簡単に無賃乗車もできてしまうのです。ですから、どこの国でも私服の検札が回ってきて、無賃乗車を摘発すると高額な罰金を取ることになっています。

「アッシは日本人でごぜぇます。言葉もよく分かりませんでげす。お代官さまァ、どうかお慈悲を~」などと言っても、けっして許してはもらえません。

 しかし、他の国では検札はそんな頻繁には回って来ませんから、無賃乗車をする人もけっこう多かったのです。

 ところが、ブダペストでは本当に5分に1回、10分に1回くらいの割合で頻?に検札が回ってきたのです。これでは無賃乗車は割に合いませんが、検札係の人件費もけっこうかかっていたことでしょう。まあ、僕が心配すべきことではないのですが……。

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