「ワールドカップを持続可能にするために」考えるべきカタール大会の問題点【カタール現地ルポ“計25大会出場”ジャーナリストのW杯】の画像
カタール大会とW杯のこれからを考える必要がある 撮影:中地拓也

  2人合わせて「ワールドカップ25大会」を取材した、ベテランジャーナリストの大住良之と後藤健生。2022年カタール大会でも現地取材を敢行している。古きを温め新しきを知る「サッカー賢者」の2人がカタール・ワールドカップをあらゆる角度から語る!

■カタール大会決勝の価値

 確かに、技術的に見れば決勝戦は「史上最高」ではなかった。大住さんは言及されていないが、大会を通じてのベストゲームは準々決勝のイングランド対フランスだったのではないだろうか?

 しかし、決勝戦があのような劇的な展開となったことの意義は大きい。

 つまり、決勝戦は大住さんのような“玄人”だけでなく、普段サッカーを見慣れていない人たちからも注目されていたからだ。誰にでもわかりやすいスリリングな点の取り合い。そして、リオネル・メッシキリアン・ムバッペという新旧スターたちの物語……。試合を見た誰もが「サッカーは面白い」と思ったことだろう。

 決勝戦が終わって1日半が経過したが、NHKニュースでは毎時のようにアルゼンチンやフランスでの反応とか選手団の歓迎風景などが報じられ続けている。「これまでにないこと」なのかどうかは、日本で決勝戦の放送を見たことが一度もなかった僕には判断できないのだが……。

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