ブラジル代表リシャルリソンが、"覚悟"を体に刻み込んだ。2人のレジェンドと自身の顔を、背中にタトゥーで彫り込んだのだ。
ブラジル代表にとっては、早すぎる大会終了となった。開催中のカタールワールドカップで順調に勝ち進んできたものの、準々決勝でクロアチア代表と延長戦までの120分間を戦った末、PK負けで姿を消すことになった。素晴らしい選手たちがそろい、チームとしてのプレーもできており、優勝候補としての評価をさらに高めていた中での敗戦だった。
今大会のセレソンで背番号9を託されたのが、リシャルリソンだった。セルビア代表との初戦では2ゴール。韓国とのラウンド16でも1ゴールを追加していたが、クロアチア戦では後半39分に無得点のままピッチから退いていた。
敗退に涙にくれるネイマール同様、リシャルリソンも悲しみに打ちひしがれた。カタールを去る際には、ホテルまで労いに訪れたファンを前に、フェンスに張り付いて「ありがとう、ありがとう」と泣きそうな顔で繰り返していた。
その悲しみを、新たな決意に変えたようだ。リシャルリソンは、早くも所属するトットナムの本拠地であるロンドンへと戻った模様。さらには、気分も一新した。
リシャルリソンは、ロンドンを拠点とするブラジル人タトゥーアーティストのドム・タトゥー氏の下へと向かい、誓いを体に刻み込んだ。他のブラジル人選手も手掛ける同氏に頼み、今後のブラジル代表を担う覚悟を、まさに背負ったのだ。
何と、背中に3人の新旧セレソンの顔を彫り込んだ。日韓W杯を制したロナウド、現在の背番号10を背負う王様ネイマール、自身だ。2人のレジェンドの間に、リシャルリソンの顔をデザインした。
偉大な選手たちの系譜を継ぐ、ということなのだろう。まだネイマールの去就ははっきりしないが、すでに自分がチームを引っ張るとの気概があふれている。